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*分け

・R-18指定
・甘々
・時期的には小田原征伐前ですが、クロニクルに沿っていません。捏造です。
・美しいものと美しいものを絡ませたいという、管理者の願望を書き殴っただけの作品です





短檠の灯を受けて血の色に染まる褥の上で、三成は細い体を強張らせた。
高虎が寝着を脱ぎ捨てれば、赤錆色の瞳に浮かぶ戸惑いの色はさらに濃くなっていった。


初物か? 

……いや、まさか。


落ち着きのない三成に対して、そんな一念が脳裏を過ぎったが、高虎はすぐに振り払った。
清麗な美貌の持ち主であるこの男が初物なわけがない。相手なら腐るほどいるだろう。


「どうした? 身を固くして。らしくない、緊張でもしているのか?」

「別に。俺がどうだろうと貴様に関係あるまい」

「関係ないことないだろう」


三成と恋仲になってからひと月が経つ。
日頃の激務と周囲の目もあって、なかなか逢瀬すること叶わなかったが、今宵、ようやく肌を重ねる隙ができたのだ。


「ぐだぐだ五月蠅い。さっさとしろ。グズは嫌いだ」


そう吐き捨てると三成は怜悧な目を縁取る長い睫を伏せた。
三成の態度は気に掛かるが、素直に喋る気はなさそうだ。


「そうか、なら、遠慮なくいかせてもらおう」


尖った顎を指で軽く持ち上げて、柔らかな感触が唇に触れた途端、高虎の血は骨を溶かすほど煮え滾った。
歯列を割くや、奪うように舌を絡め取り、淫猥な音を立てて唾液を啜る。
ここまで欲が強かったのかと、情熱な口付けを交わしながら、新たな己を知る。


「っ……高虎」


吐息と吐息が重なり合う中、切なげな声が高虎の耳朶を擽った。
こめかみがカッと熱くなり、自制をかなぐり捨てて思いのままに犯したい衝動が高虎の全身に駆け巡る。
深く求め合う仲になると誰が想像出来たであろうか。高虎ですら今の関係が信じられぬ。


「ん?」


高虎は胸を唇で啄みながら、汗の浮かんだ肌を撫でまわしたが、三成は高虎の性急な愛撫に一つも声をあげなかった。
不感症か? 
高虎は厄介な相手を前に深い皺を眉間に刻みつつ、ならばと、頭を擡げ始めていた三成の亀頭へ舌を差し出した。


「ぁ、っ……!」


亀頭の裏側を舐め擦ると、紅潮した肌に快楽のさざ波が立った。
三成は淫靡な嬌声を喉奥から洩らしながら、もっと、もっとと腰を艶めかしく振ってねだる。
これが、あの三成か。
普段、一分の隙もなく身じまいを整えた禁欲的な男が快楽に溺れるさまは高虎の情念をひどくそそった。


「石田三成らしからぬ、……な」


揶揄を飛ばされ、三成は淫蕩の兆しを示した瞳を悔しそうに細めた。
潤んだ瞳で睨んだところで逆効果だというのに。
高虎は意地悪げな笑みを口の端に刻みつつ、透明な蜜が零れだした蜜口を舌先で抉ってやった。


「んぁ!」


ようやく耳に捉えた声は、想像していたものよりも色香があった。
駆け巡る情動のままに、高虎は三成の両足を腰が浮くほど持ち上げ、秘部を暴く。


「綺麗だな」


露わになった秘部は、固く窄まり、淡い珊瑚色をしていた。
吐息が触れただけで戦慄くさまは、まるで男を知らぬ初物を思わせた。
先走りの蜜に濡れた二本の指で秘部をゆっくりと捲り、ヒクヒクと収縮する秘肉へ高虎はなんの躊躇もなく舌を這わせた。


高虎に男色の趣味はない。男相手など御免だが、三成だけは別だ。


「っ……く……んっ」


男を受け入れた経験が少ないのだろうか、唾液滴る舌で秘肉を舐めずる度に、三成は低く呻いた。
怯えを漂わせる姿に哀れみを誘われ、高虎は念入りに秘肉をほぐしてやった。


「入れるぞ」


高虎は、三成の両手首を掴んで細い身体をぐっと引き寄せると、猛る雄を濡れそぼった秘部にあてがった。
唇をきつく噛み締める三成を視界に捉えながら、脈動を刻む獰猛な亀頭で可憐な秘部を割り裂く。


「……っ!! ……っ、っ!!」


苦悶の表情を浮かべ、悲痛な唸り声を迸る三成に、高虎は目を瞠った。
あまりの痛がりように、抱いていた疑惑は確信へと変わる。


「あんた、初物か?」

「…………」


三成は顔を歪めたまま、押し黙った。それが答えだった。


「一旦抜く。傷でもできたら面倒だ。張子などで慣らしてから、再度……」

「かまわん!」


鋭い声が高虎の耳朶を叩くや、三成の震える手が高虎の手首を掴んだ。
三成は鈍痛に翳る瞳で高虎を真っ直ぐに見据えて


「貴様のなら耐えきれる」


可愛いことを言ってきた。


「……あんた」


高虎は清潔な輝きを帯びる前髪をそっと撫でてやった。
毛先が指から零れるたびに、腹の底から愛おしさが込み上げてくる。


「噛んでろ」


高虎は、汗の玉が浮かぶ首筋へ顔を沈めて、肩口を三成の唇へ差し出した。


「痛み分けだ」


疑問の眼差しを注ぐ三成へ高虎は短く回答した。
三成にだけ痛い思いをさせ、己だけ快楽を極めるわけにはいかぬ。
高虎の思いが通じたのか、あちこちに古傷が穿たれた高虎の皮膚に、三成はそっと歯を立てた。


「んんっ!」

「っ!」


熱情に滾る高虎の雄が、誰の侵入も許したことのない秘肉へ踏み入ると、くぐもった呻き声があがった。


「ふ! んっ、くっ」


雄を全て収め終えると、高虎は熱を帯びた吐息を洩らしながら、秘部に傷が付かぬように緩慢な動きで雄を抜き差しした。萎えてしまった三成の肉棒を扱くと、秘部はきゅぅと窄まり、血管の浮き出た猛る雄の形を象る。
あまりの快楽に我を忘れて雄を打ち込みたい欲望を懸命に抑え、高虎は徐々に腰の動きを速めていった。


「いくぞ……」


手中の肉棒が透明な玉の蜜を滲ませたのを見計らって、高虎は猛然と攻め立てた。
強烈な快楽を得られる蜜腺を雄々しい亀頭で抉り、感度の高い秘部には張り出した雁を引っ掻けてやる。
しかし、三成は悦を拾えなかったようだ。


「ぐぅっ!」


三成の歯が肩の皮膚を突き破り、肩に走った激痛に高虎は顔を顰めた。
肉を食われ、尋常ではないほどの痛みに高虎は低く唸る。
だが、鋭い痛みから逃れようとは思わなかった。三成から与えられる痛みなら受け止めてやりたい。


「あんたの気持ち……分かったよ……」


濃密な血の香りが鼻腔に満ちる中、高虎は三成の耳朶を苦痛と快楽の混じり合った声で撫でた。


「……あんたのなら耐えきれる」


そう呟くや、怒濤の勢いで最奥まで貫いた。
耳をつんざくようなひび割れた悲鳴を聞きながら、高虎は穢れを知らぬ秘肉に生々しい欲望を注ぎこんだ。









-終-
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