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*惹かれ -3-

・R-18指定(軽めですが)

閲覧にご注意ください





深い暗闇に、血のように赤い光が差した。
それが、うっすらと開いた瞼の間から差し込んだ夕陽だと悟ったとき、
三成の意識は現実へと向けて浮上していた。



……ここはどこだ。滞在する堺か? 
にしては、かまびすしい売り子の声や、馬の蹄の音が聞こえぬ。



三成は、靄のかかった思考と割れるように痛む頭を懸命に動かして記憶の糸を手繰る。



……ああ、そうだ。
使者として四国へ派遣され、その帰路で淘汰されるべき四国の馬鹿共に急襲されたのだ。
下衆共に捕まり、刃を向けられ……。
その後は一体どうなったのだろうか?



背中に土の感触がすることから、まだ三途の川は渡っていないようだ。
痛みを感じぬことから察するに気を手放していただけのようだが……。



「……ぐっ!」



突如、濃密な血の香りが鼻腔の奥へ押し寄せてきた。
生臭い匂いが不愉快で、三成は眉を真ん中に寄せて深い皺を刻む。
匂いの元を視線で辿ると、下衆共に襦袢ごと小袖を剥ぎ取られ裸となった体に
赤黒い血飛沫が染み込んだ陣羽織が被さっていた。
錆と化した血が斑模様を作るその陣羽織を、どこかで見た記憶があった。
とりあえず、起き上がろうと力を振り絞ってみたものの、
体は鉄塊でも乗せたかのように重く、虚しくも地面に後頭部をぶつけてしまう。



「ようやく、お目覚めか?」



顔をしかめる三成の耳朶に、傍らから硬い声がかかった。
視線を滑らせた先で、甲冑を纏った男が細葉を伸ばす木に背を預けていた。
冷たく瞬く光を貼り付けた瞳を三成へ向け、冷然とかまえる彼に三成は剣呑な表情を示した。
太陽の残照を受けて赤く染まる頬に血痕がついていたからだ。
もしやと思い、三成はかろうじて動く首を捻った。



……っ!



血臭を撒き散らす肉塊と化した下衆共を目にして、三成は息を呑んだ。
高虎が斬り殺したのだろう。



……助けてくれたというのか? 何故だ? 
奴は俺を敵視していたはずだ。




問いかけようも舌の根が痺れて思うように言葉を押し出すことが出来ず、もどかしさに苛立ったが、
脳裏に浮かんだ疑問は、次の瞬間、拭ったように消え去った。
強烈な悦が、背筋を駆け抜け、三成の脳中枢を溶け崩したのだ。



「っあぁ!」



低劣な輩に呑まされた媚薬が体内に残っているらしい。
頬が紅潮するのと同時に甲高い喘ぎ声が喉奥からあがった。
淫靡なよがり声が静謐を守る森の静寂を破り、
誰かが耳にしているのではないかという焦燥と羞恥が三成の心を酷く掻き乱した。



「あ! ……な、にを……」



いつの間に寄ってきたのだろうか、高虎に陣羽織を奪い取られ、三成は喉を絞った。



「汚れるだろう」



情欲に色づいた亀頭が冷徹な青い瞳に映り込み、烈しい屈辱に三成の血は煮えたぎった。
だが、燃え盛る怒りの炎は体の奥から押し寄せてきた快楽の大波に呑み込まれてしまった。
高虎が三成の背に手を回したと思いきや、空いた手で性器を扱き始めたからだ。



「陽が暮れる前に戻りたいからな」


「ぁ、っ……んっ、あ! ……んぅ、っ」



肉茎を収めた掌がゆるゆると上下に動くと、三成の背筋は雷にでも撃たれたかのように痺れた。
粘度の高い透明な蜜を滲ませる淫らな亀頭を触れるか触れないか程度に優しく撫でられ、
蜜口を指の先で軽くと突かれれば、悲鳴に近い嬌声が噴き上がった。


触るな、拒絶の言葉を浴びせないのは、舌が思うように動かないからではない。
媚薬の効能と男の与える甘美な悦の相乗効果によって生じた強烈な快楽が
三成の理性をすでに粉砕していた。



「良いのか?」


「あっ、んん、ん!」



快感を追及するだけの肉欲の塊となった三成に矜持などない。
ひっきりなしによがり声をあげながら何度も頷いて随喜を訴えた。



「可愛いのだな。日頃は傲慢で頑固だというのに……」



高虎は微笑を浮かべると、しなる首をちゅうと吸った。
汗の玉を作る肌を甘く噛みしつつ、節くれだった二本の指で張り出した雁を挟み、
くちくちと淫猥な水音を立てながら真っ赤に充血した亀頭を幾度も擦る。



「っぁ! ……ん、んぅ……」



はしたない喘ぎ声は薄い唇に吸い取られた。
口づけされていると三成が認識したときには、高虎は舌を駆使して三成の舌と戯れていた。
火照る頬に熱い吐息を落としながら、顔の角度を変えて深く舌を打ち込み、音を立てて唾液を啜る。
情熱の籠った口づけを与えていた高虎だったが、二人の温度が溶け合うとその唇をそっと離した。



「あんたのことは気に入らんが……」


「んぁ、あ、っ!」



反り返った肉茎を激しく扱かれ、官能を刺激された三成はわななく唇から喜悦の声を張りあげた。
至上の悦に全身を攻め立てられ、三成は肉茎を卑しく打ち震わせながら一際大きく半身を跳ね上げる。


ドクン。


肉茎に張り巡らされた血管が深い脈を打った、その直後。



「んぁ!」



限界まで張り詰めた性器からびゅくっと白濁の蜜を射出させて三成は悦の極致へ達した。
痙攣する身を高虎の腕に預けて、びゅくびゅくと断続的に蜜を放ち、性の芳香を撒き散らす。



「………あ……た…………じゃ……」



吐精の余韻の中、細めた視界で薄い唇が静かに割かれた。
だが、荒々しい息と体を支配する悦の渦が邪魔をして、その声は鼓膜にまでは届かない。



……何を言っている。



猛烈な睡魔に襲われ、その思考を最後に三成の意識は闇へと沈んでいった。









-続-
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