*可愛い虎
・R-18指定
・WC後くらいのお話です。
・優しくて可愛い火神とそんな火神を愛おしむ黒子。二人がやっているだけです笑
照明を消すと、弱々しい月の光だけが残った。
青白い光が微かに滲む薄闇の中、バスタオルを剥ぎ取った火神が
ベッドを軋ませながら黒子に覆い被さってくる。
その引き締まった腰は陰影ができていたが、
影に象られたそれが膨大な熱量を巻いていると黒子は肌で感じ取った。
雄渾なそれをこれから体内に収めるのかと思うと黒子の拳は凍えたように震えた。
火神のことは好きだし、こうなることを望んでいた。
それに、付き合ったときから自分が女役に回ることは分かっていたし、覚悟もできていた。
だが、いざリアルを突きつけられると恐怖を覚えてしまう。
「黒子……怖いか?」
覗き込んできた瞳は震えていて、彼が緊張しているのだと知った。
「………黒子。オレ、初めてだけど痛くねぇようにするから。
あと、嫌だったらすぐ言えよ、やめるから。分かったな」
声に余裕は無いけれど、真摯さがダイレクトに伝わってくる。
がさつで武骨で気性が荒くて不器用。そして、優しい火神。
「はい」
赤い瞳を見据えながら返事をしたときには、負の感情を吹っ切っていた。
彼は黒子が挫けそうになると力強い手で支えてくれた。
信頼するに足る彼がそう言うなら、不安を抱く必要はない。
「んっ」
熱を孕んだ吐息が肌を撫でて、唇が重なり合う。
幾度か唇を啄み合っていると、いつもは触れるだけの唇が、そっと開いて、
肉厚な舌が腔内へと滑り込んできた。
火神の体温と唾液が舌の上で溶ける。
顔の角度が変わるたびにカツカツと歯と歯が衝突し、
その勢いを保ったまま火神は耳を塞ぎたくなるような水音を立てて唾液を吸った。
熱くて、荒削りで、火神らしい。
「……んっ」
舌先が胸の突起を捉えた。
色づいたところごとチュッと吸われると、むず痒さと微熱が突起を中心に波状に広がっていく。
疼く突起を甘く噛まれ、反対側を爪で弾かれれば、首筋がぞくぞくと震えた。
ふいに嬌声をあげそうになって、黒子は奥歯を噛み締める。
男として、あんあん喘ぐのは嫌だった。
「黒子……感じてるんだな」
玉の蜜が溜まる窪みを骨ばった指でつつかれて、黒子は下腹部をひくひくと波打たせた。
言わなくとも分かるだろうと、答えてやるつもりはなかったが、
口の端を弛ませて黒子を覗き込む火神が可愛かったから、黒子は素直に頷いてやった。
すると、余程嬉しかったらしく、火神は頬を紅潮させて笑った。
そんなに喜ぶなら意地を張らずにもっと声を出してやればよかった。
「ぜってぇー、痛くしないようにするから」
頬に赤みを差したまま火神はそう宣言すると、
黒子の腰の下にクッションを敷き詰めた。
秘部を暴かれて、羞恥に全身から汗が吹き出す。
ローションを絡めた指が秘部に幾重もの円を描き、
ぐじゅぐじゅとはしたない音を立てる。
とんでもないところを愛撫されながら鼓膜を犯され、
膨らんだ羞恥に黒子は頬を枕に擦りつけてしまう。
「ん、くぅ……」
往復を繰り返していた人差し指が、誰の侵入も許したことのない秘部を割開いた。
痛みはないものの、異物感に黒子は眉をぎゅっと寄せた。
火神は、肉と肉の狭間で指を蠢かせ、未開拓の秘肉をじっくりと時間をかけて蕩かしてくれた。
おい、平気か? 痛くねぇーか? いたわりの言葉を囁きながら。
火神は奥まで濡らすと卑猥な音を引きながら指を抜いた。
ビリっと何かが破け、それは火神の手がコンドームの包装を裂いた音なのだと熱に犯された頭の片隅で悟る。
「あっ!」
熱膨張した塊が秘部にあてがわれて、瞠目した。
野太い肉棒は焼いた鋼のように硬く、皮膚が溶け崩れそうなほど熱い。
「ぐぅぅ」
肉を引き裂かれる激痛に歪んだ唇からくぐもった唸り声を放った。
すると、眩暈を起こすほどの痛みは、ふと消え去った。
「火神君……?」
「痛そうだったからよ……」
かすむ目で見やれば、汗だくの顔に哀憐の色が濃く溜まっていた。
激情と同情に揺らめく瞳はいじらしく、愛おしい。
「かまいません。遠慮しないでください」
「いや、でもお前……」
汗の滑る額と額を重ねて、火神の台詞を遮ると、黒子は上目遣いで火神を見詰めながら言葉を紡いだ。
「ボクも君としたいんです」
そう囁くと、火神は茫然とした表情を浮かべて黒子を見入った後、
熱湯でも浴びたのかと思うほど顔面を真っ赤にした。
「お前っ、このっ! もうやめてやんねぇーからな!」
「ひぁぁ……!」
火神は性急な動きで黒子の両足首を握り締めると、
腰を細かく律動させて秘肉をゆっくりゆっくりと割り開いていった。
そうして長い時を掛けて、ようやく火神の脇腹と黒子の太ももの裏はぴったりと密着した。
根元まで受け入れてやると、深い情が黒子の胸の中で渦を巻く。
「んっ!」
火神の腰が緩慢に動き出して、スローな挿入が始まった。
張った笠に肉壁を引っ掻かれ、痛撃に黒子の神経は悲鳴をあげた。
だが、引き攣るような痛みは緩急交えた抽挿によって次第に薄れてゆく。
それどころか、快楽を拾えるようになってきて、
硬度を増した亀頭がある一点を掠めると手足の末端を狂おしく痙攣させてしまう。
前立腺と呼ばれる箇所を刺激されているのだろう。
ネットで仕入れた知識が頭の片隅に過ぎるけれど、
蜜腺を責められるとその思考は白く塗り潰された。
虚空に投げ飛ばされそうになって、
黒子は小刻みに震える両足を火神の腰に回し、必死にしがみついた。
「……ここか? ここが良いのか?」
火神は探り当てた快楽神経の塊を狙って、猛烈な抽挿を繰り出した。
骨の髄まで蕩け崩れそうな悦に、黒子は恥知らずに歓喜の声を上げて背筋を反り返らせた。
「黒子っ、黒子っ、黒子っ!」
「かがっ、火神君、火神くんっ」
黒子は快楽に支配さえた頭をでたらめに振った。
蜜腺を突かれるよりも野獣の咆哮じみた声で名を呼ばれる方が高揚する。
「んぁ!」
限界まで膨張した亀頭に蜜腺を鋭く抉られ、
目の前がカッ白むのと同時に真っ赤に熟れた亀頭の割れ目から白濁の蜜が勢いよく噴出した。
黒子の意識は鮮烈な悦の波に流されて、そのまま底のない闇へと堕ちていった。
息苦しくて唇から苦鳴が零れた。
薄く瞼を開けば、豪快に寝息を立てる男の寝顔が黒子の視界を占めていた。
「ぐっ……」
胸に感じた圧迫感に瞳を転がせば、見事な筋肉が隆々とした巨椀が黒子の胸を押し潰していた。
黒子は息苦しさから解放されたい思いから疲弊しきった体を奮い立たせ、
渾身の力を込めて腕を退かした。
だが、その苦労は一瞬で泡と化す。
「ぐぉぉ」
豪快ないびきをあげながら火神が黒子に覆い被さってきたのだ。
馬鹿力でぎゅっと抱き締められ、気道が狭まり、空気が一つ絞り出される。
重い。苦しい。
こうなったら叩き起こして戒めを解いてもらおう。黒子は腕を突っぱねようとしたが
「くろこぉ、んー」
どうやら、黒子の夢を見ているようだ。
幸せそうな顔を浮かべていることから察するに、黒子とじゃれあっているのだろう。
黒子は頬を掻くと、その指で火神の額を軽く弾いた。
反撃を済ませると静かに目を瞑った。
-End-
・WC後くらいのお話です。
・優しくて可愛い火神とそんな火神を愛おしむ黒子。二人がやっているだけです笑
照明を消すと、弱々しい月の光だけが残った。
青白い光が微かに滲む薄闇の中、バスタオルを剥ぎ取った火神が
ベッドを軋ませながら黒子に覆い被さってくる。
その引き締まった腰は陰影ができていたが、
影に象られたそれが膨大な熱量を巻いていると黒子は肌で感じ取った。
雄渾なそれをこれから体内に収めるのかと思うと黒子の拳は凍えたように震えた。
火神のことは好きだし、こうなることを望んでいた。
それに、付き合ったときから自分が女役に回ることは分かっていたし、覚悟もできていた。
だが、いざリアルを突きつけられると恐怖を覚えてしまう。
「黒子……怖いか?」
覗き込んできた瞳は震えていて、彼が緊張しているのだと知った。
「………黒子。オレ、初めてだけど痛くねぇようにするから。
あと、嫌だったらすぐ言えよ、やめるから。分かったな」
声に余裕は無いけれど、真摯さがダイレクトに伝わってくる。
がさつで武骨で気性が荒くて不器用。そして、優しい火神。
「はい」
赤い瞳を見据えながら返事をしたときには、負の感情を吹っ切っていた。
彼は黒子が挫けそうになると力強い手で支えてくれた。
信頼するに足る彼がそう言うなら、不安を抱く必要はない。
「んっ」
熱を孕んだ吐息が肌を撫でて、唇が重なり合う。
幾度か唇を啄み合っていると、いつもは触れるだけの唇が、そっと開いて、
肉厚な舌が腔内へと滑り込んできた。
火神の体温と唾液が舌の上で溶ける。
顔の角度が変わるたびにカツカツと歯と歯が衝突し、
その勢いを保ったまま火神は耳を塞ぎたくなるような水音を立てて唾液を吸った。
熱くて、荒削りで、火神らしい。
「……んっ」
舌先が胸の突起を捉えた。
色づいたところごとチュッと吸われると、むず痒さと微熱が突起を中心に波状に広がっていく。
疼く突起を甘く噛まれ、反対側を爪で弾かれれば、首筋がぞくぞくと震えた。
ふいに嬌声をあげそうになって、黒子は奥歯を噛み締める。
男として、あんあん喘ぐのは嫌だった。
「黒子……感じてるんだな」
玉の蜜が溜まる窪みを骨ばった指でつつかれて、黒子は下腹部をひくひくと波打たせた。
言わなくとも分かるだろうと、答えてやるつもりはなかったが、
口の端を弛ませて黒子を覗き込む火神が可愛かったから、黒子は素直に頷いてやった。
すると、余程嬉しかったらしく、火神は頬を紅潮させて笑った。
そんなに喜ぶなら意地を張らずにもっと声を出してやればよかった。
「ぜってぇー、痛くしないようにするから」
頬に赤みを差したまま火神はそう宣言すると、
黒子の腰の下にクッションを敷き詰めた。
秘部を暴かれて、羞恥に全身から汗が吹き出す。
ローションを絡めた指が秘部に幾重もの円を描き、
ぐじゅぐじゅとはしたない音を立てる。
とんでもないところを愛撫されながら鼓膜を犯され、
膨らんだ羞恥に黒子は頬を枕に擦りつけてしまう。
「ん、くぅ……」
往復を繰り返していた人差し指が、誰の侵入も許したことのない秘部を割開いた。
痛みはないものの、異物感に黒子は眉をぎゅっと寄せた。
火神は、肉と肉の狭間で指を蠢かせ、未開拓の秘肉をじっくりと時間をかけて蕩かしてくれた。
おい、平気か? 痛くねぇーか? いたわりの言葉を囁きながら。
火神は奥まで濡らすと卑猥な音を引きながら指を抜いた。
ビリっと何かが破け、それは火神の手がコンドームの包装を裂いた音なのだと熱に犯された頭の片隅で悟る。
「あっ!」
熱膨張した塊が秘部にあてがわれて、瞠目した。
野太い肉棒は焼いた鋼のように硬く、皮膚が溶け崩れそうなほど熱い。
「ぐぅぅ」
肉を引き裂かれる激痛に歪んだ唇からくぐもった唸り声を放った。
すると、眩暈を起こすほどの痛みは、ふと消え去った。
「火神君……?」
「痛そうだったからよ……」
かすむ目で見やれば、汗だくの顔に哀憐の色が濃く溜まっていた。
激情と同情に揺らめく瞳はいじらしく、愛おしい。
「かまいません。遠慮しないでください」
「いや、でもお前……」
汗の滑る額と額を重ねて、火神の台詞を遮ると、黒子は上目遣いで火神を見詰めながら言葉を紡いだ。
「ボクも君としたいんです」
そう囁くと、火神は茫然とした表情を浮かべて黒子を見入った後、
熱湯でも浴びたのかと思うほど顔面を真っ赤にした。
「お前っ、このっ! もうやめてやんねぇーからな!」
「ひぁぁ……!」
火神は性急な動きで黒子の両足首を握り締めると、
腰を細かく律動させて秘肉をゆっくりゆっくりと割り開いていった。
そうして長い時を掛けて、ようやく火神の脇腹と黒子の太ももの裏はぴったりと密着した。
根元まで受け入れてやると、深い情が黒子の胸の中で渦を巻く。
「んっ!」
火神の腰が緩慢に動き出して、スローな挿入が始まった。
張った笠に肉壁を引っ掻かれ、痛撃に黒子の神経は悲鳴をあげた。
だが、引き攣るような痛みは緩急交えた抽挿によって次第に薄れてゆく。
それどころか、快楽を拾えるようになってきて、
硬度を増した亀頭がある一点を掠めると手足の末端を狂おしく痙攣させてしまう。
前立腺と呼ばれる箇所を刺激されているのだろう。
ネットで仕入れた知識が頭の片隅に過ぎるけれど、
蜜腺を責められるとその思考は白く塗り潰された。
虚空に投げ飛ばされそうになって、
黒子は小刻みに震える両足を火神の腰に回し、必死にしがみついた。
「……ここか? ここが良いのか?」
火神は探り当てた快楽神経の塊を狙って、猛烈な抽挿を繰り出した。
骨の髄まで蕩け崩れそうな悦に、黒子は恥知らずに歓喜の声を上げて背筋を反り返らせた。
「黒子っ、黒子っ、黒子っ!」
「かがっ、火神君、火神くんっ」
黒子は快楽に支配さえた頭をでたらめに振った。
蜜腺を突かれるよりも野獣の咆哮じみた声で名を呼ばれる方が高揚する。
「んぁ!」
限界まで膨張した亀頭に蜜腺を鋭く抉られ、
目の前がカッ白むのと同時に真っ赤に熟れた亀頭の割れ目から白濁の蜜が勢いよく噴出した。
黒子の意識は鮮烈な悦の波に流されて、そのまま底のない闇へと堕ちていった。
息苦しくて唇から苦鳴が零れた。
薄く瞼を開けば、豪快に寝息を立てる男の寝顔が黒子の視界を占めていた。
「ぐっ……」
胸に感じた圧迫感に瞳を転がせば、見事な筋肉が隆々とした巨椀が黒子の胸を押し潰していた。
黒子は息苦しさから解放されたい思いから疲弊しきった体を奮い立たせ、
渾身の力を込めて腕を退かした。
だが、その苦労は一瞬で泡と化す。
「ぐぉぉ」
豪快ないびきをあげながら火神が黒子に覆い被さってきたのだ。
馬鹿力でぎゅっと抱き締められ、気道が狭まり、空気が一つ絞り出される。
重い。苦しい。
こうなったら叩き起こして戒めを解いてもらおう。黒子は腕を突っぱねようとしたが
「くろこぉ、んー」
どうやら、黒子の夢を見ているようだ。
幸せそうな顔を浮かべていることから察するに、黒子とじゃれあっているのだろう。
黒子は頬を掻くと、その指で火神の額を軽く弾いた。
反撃を済ませると静かに目を瞑った。
-End-
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