*俺たちの影が可愛すぎて
・R-18です。
熱い秘肉が火神の雄にいやらしくまとわりついてくる。
火神はさらなる悦を得ようと汗にしっとりと濡れる太ももを掴んで、腰をせり上げた。
「黒子! っ! 黒子っ!」
「か、火神く、ん……ん、あぁ」
乱れ髪がひっついた婀娜っぽい耳を後ろから噛んでやれば、切ない声で己の名を呼んだ。
可愛い。
うなじを吸えば、火神の胸と密着した細い背中がいやらしくしなる。
日頃、温度を欠いた顔で人をおちょくってくる黒子を掌握しているのだと思うと
火神の血は滾った。
「んんっ! ふっ!」
もっと悶えさせてやろうと、ベッドをぎちぎちと鳴らしながら肉棒を突き上げると、
くぐもった嬌声が室内に響いた。
何だろうと、汗と石鹸の香りがする髪に鼻先を埋めたまま、目線だけを上げれば、
青峰の手が熱を纏った怒張を黒子の口に捻じり込んでいた。
「んふっ! んぐぅ! ふっ、ん」
唸っているような、喘いでいるような、どちらともいえない声を喉奥から漏らしながら、
黒子は必死に肉棒を奥まで銜えこむ。
「やっべ! すげーいい。……テツのフェラ」
くしゃくしゃと水色の髪を掻き回して黒子の口淫を味わう青峰に火神は苛立ちを覚えた。
青峰に対する嫉妬と黒子への独占欲に、火神は瞳を鋭く尖らせると、蜜腺を小突きながら、
ぷくりと勃起した胸の突起を色づいたところごと捏ねくりまわす。
「んぁっ!」
熱に犯された声が赤黒い肉棒を腔内から押し出した。
黒子と繋がっているのは自分だけだ、こいつは俺のだと威嚇の眼差しを青峰へ投げる。
火神を見下ろす男は強敵だ。
誰からも認められずにいた黒子を認め、
黒子を光の当たる場所へと導いた黒子のかつての光なのだ。
だが、負けるわけにはいかねぇ。こんな奴に。
青峰は一度、黒子を捨てて、しかも畳み掛けるように黒子を傷つけた。
そんな男にだけは負けたくなかった。
「……火神、てめぇ。いいぜ、その喧嘩を買ってやるよ」
青峰が皮肉っぽく笑った。どうやら敵意の眼差しに闘争心が燃え上がったようだ。
火神にとって青峰は脅威だが、それは青峰にとっても同じだった。
火神は黒子の今の光であり、深い悲しみに苛まれる黒子を強靭な精神力で何度も支え、
救い上げた。かつての青峰の居場所を現在占めている男だ。
一度、黒子を突き放してしまった青峰に対して火神は惨澹たる敗戦の後も黒子を信じ続けた。
だから、黒子も持てる全ての力で火神を支え、信頼を寄せている。
火神は強敵だ。
そして、互いの願いは同じだ。黒子を独り占めしたい。
だが、黒子にとって二人は真の光である。青峰のことも火神のことも必要としている。
どちらかを選ぶなどできない。
三角関係。そんな許しがたい選択を優しい火神は受け入れ、
過去がネックになっている青峰は不本意ながらも受け入れた。
その結果この関係ができあがったのだ。
だが、互いに
黒子を譲るつもりはねぇ!
テツをやるつもりはねぇ!
「テツ……んっ」
青峰は黒子の顎を掴むと、呼吸すら奪うような激しいキスをした。
秘肉が締まるのが気に喰わなくて、火神は黒子の首筋に噛みついた。
「あ? 何、妬いてんだよ、お前。余裕ねぇーな。情けねぇ」
「あん? 何だと、ガングロクロスケ!」
「ガングロっ……てめぇ、思い知らせてやるよ」
青峰は腰を上げると、黒子の眼前で生々しい血管がのたくった肉棒を荒々しく扱き出した。
黒子が汚されぬうちに、火神は黒子の頬を掴んで上気した顔を振り向かせると、
薄い唇を吸った。
唾液を啜りながら蜜腺を責めれば、秘肉が波打つように蠢動し、
抜けば窄まるように引き締まる。
巨根の動き一つ一つに合わせ、その肉が返す反応が生む刺激は、
火神の腰が己の意志を離れて動くほどの快感をもたらす。
「か、火神、くぅん……あ、んっ、イク」
腰が弓なりに反り、ビクビクと全身を痙攣させながら黒子は絶頂の瞬間を迎えた。
恍惚に濡れた瞳に映るのは火神だけだ。
愛おしさと快楽に浸りながら、火神が情熱を黒子へ注ぎ込もうとした、そのときだった。
生臭い匂いが鼻をつんざき、生温い粘液が顔に貼り付いた。
悍ましさに寒気がし、同時に黒子の中で雄が萎えてゆく。
「青峰っ! て、てんめぇ」
間一髪、口に入り込みそうだった精液を戦慄く拳で拭うと、火神は青峰を睨みつけた。
肩で息をする青峰は悪びれるどこか、火神を睥睨しながら
「てめぇ、じゃねぇーよ。んなところにいるから悪いんだよ。
つーか、避けれねぇなんてトロいなお前」
暴君の開き直りに頭の血管がぶち切れた。
「このっ……」
「火神君」
静かだが、抗えぬ力を持った声に火神の怒りは鎮まった。
赤い舌が火神の半顔に付着した精液をちろちろと舐め取ってくれる。
口元を這い、頬を吸う。
「綺麗になりました」
「青峰君。それ、こっちにください」
淫猥な光景をただ眺めていた青峰だったが、名を呼ばれて我に返った。
そして、黒子の指示通りに力尽きた肉棒に手を添えて唇へ差し出した。
「んっ……」
「やべ!」
咥えた肉棒をちゅっと軽く吸って、尿道に残っている精液を喉へ送る。
処理をしてくれる黒子に胸の奥でカッと熱が迸った。
黒子、可愛い。
テツ、可愛い。
-End-